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No.184 研究課題 / Project

市民参加調査による多摩川における洪水攪乱後の礫河原鳥類の動態についての研究A Study on the Dynamics of Birds Inhabiting in the Gravel Riverbeds of the Tama River after Flood Disturbance through a Survey Conducted by Citizens

一般研究
General Research
No.184
代表研究者
Principal Investigator
島田 高廣
Takahiro Shimada
所属(採択当時)
Affiliation
特定非営利活動法人 自然環境アカデミー 代表理事
Representative Director, Academy of Natural Environment (NPO)
研究内容要約
Research Summary
本研究は多摩川にて礫河原環境の環境指標生物となるシロチドリ,イカルチドリ,コチドリ,イソシギ,コアジサシを対象種に選定し生息状況の把握のため,市民参加による調査を実施し,今後の市民による水系モニタリング調査システムの構築の可能性と礫河原鳥類の生息概況の把握を目的として実施した. 調査にあたってはマニュアル,調査票,調査対象5種類の鳥類の識別シート,地理情報システム(GIS)を用いて空中写真(2006年秋,2007年秋撮影)から礫河原(自然裸地含む)を抽出し調査地図の作成を行った.実施の際は野鳥観察をしている市民に依頼し,礫河原毎に生息の有無,個体数を記録した.また台風9号前後の空中写真から抽出した礫河原面積を集計し,台風前後の増減を比較した. 調査は2008年度に準備及び試行を実施し, 2009年度の対象鳥類の繁殖期である6月から7月にかけて,多摩川(0km~61.8km)及び浅川(0km~13.2km)の総延長75.0kmを調査した.その結果,イカルチドリ166個体,コチドリ36個体,イソシギ42個体,コアジサシ117個体が記録された.シロチドリの記録は得られなかった.礫河原面積の判読では,2006年は215.3ha(多摩川192.1ha,浅川23.2ha),台風9号後の2007年は424.9ha(多摩川389.3ha,浅川35.6ha)を抽出,洪水攪乱により対象種の潜在的生息環境が約2倍に増加した.また,イカルチドリとコチドリが観察された礫河原面積の関係では,多摩川と浅川の両河川の礫河原集団において,各河川で大面積の礫河原を有意に利用していることが示唆された. 本研究により,礫河原鳥類を対象とした水系レベルの市民参加型の河川生態系モニタリング調査システムの構築ができた.今後,本システムを継続的に運用することにより,多摩川水系の礫河原鳥類の動態の把握が可能と考えられる.

共同研究者
Collaborators
野村亮(特定非営利活動法人 自然環境アカデミー) 内田哲夫(特定非営利活動法人 自然環境アカデミー/埼玉大学院理工学研究科社会基盤・環境科学領域)

研究全文
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