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No.183 研究課題 / Project

多摩川流域におけるヒメビロウドカミキリ個体群の分布と保全Distribution and conservation of the population of Acalolepta degener in the Tama River basin

一般研究
General Research
No.183
代表研究者
Principal Investigator
新里 達也
Tatsuya Nisato
所属(採択当時)
Affiliation
特定非営利活動法人 野生生物調査協会 副理事長
Incorporated NPO Wildlife Study Association
研究内容要約
Research Summary
多摩川流域における,絶滅危惧昆虫であるヒメビロウドカミキリ個体群の分布の全容を把握するとともにその生活史を明らかにし、本種の保全に関する提案を行なった. 多摩川流域の本種の生息地は本流部中流域5地点が確認された。本種は低茎草本群落に混生するオトコヨモギに強く依存しており、その生息には寄主植物の長期に安定した生育地が必要である。本種の生息地はすべて、河川にかかる橋梁の直下やその周辺などに集中していたが、それらの地点に共通するのは、草刈りにより草地が低く管理されている点であった。洪水などによる氾濫の機会が少ない現在の河川環境において,河川敷の定期的な草刈りがその生息地の維持に強く関与していることが示唆された. 利根川や荒川などの他河川、箱根仙石原などの生息地の調査ならびに標本サンプリングを実施するとともに、幼虫期の生態も観察した。これらの観察結果から本種の生態は、他産地でも多摩川とは基本的に変わらないことが明らかになった。また、成虫形態ならびにミトコンドリアCOI遺伝子の解析によれば、少なくとも国内の本種の地域変異は小さく、絶滅産地への再導入についても、地域個体群の純系を脅かすような問題は生じないであろうと考えられる。

共同研究者
Collaborators
武田雅志(特定非営利活動法人 野生生物調査協会)

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