平成30年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
東京音楽大学 指揮科専攻 卒業
東京藝術大学大学院 指揮科修士課程 修了
愛知教育大学教育学部音楽科ならびに同大学院を経て、東京音楽大学指揮科に特待奨学生として入学後、東京藝術大学大学院指揮科修士課程に進み首席にて修了。
指揮を尾高忠明、広上淳一、高関健、汐澤安彦の各氏に師事。ピアノを隈本浩明氏、チェンバロ・通奏低音を大塚直哉氏に師事。
2012年渡独。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、九州交響楽団、等と客演指揮者として共演。2013年クロアチア国立歌劇場リエカ管弦楽団に招かれ海外デビュー。
2004年頃より各オペラ団体に音楽スタッフとして参加。2012年日本オペラ協会池辺晋一郎『高野聖』初演では、副指揮・プロンプターとして公演に寄与。2015年には藤原歌劇団『椿姫』に抜擢されオペラデビューを果たし、2017年3月の日本オペラ協会『よさこい節』(於:新国立劇場)では難解な現代作品における緻密で積極性に富んだ音楽的解釈が評価された。
NHK交響楽団パーヴォ・ヤルヴィ指揮『ドン・ジョヴァンニ』やシャルル・デュトワ指揮『カルメン』の音楽スタッフとして参加し、2017年NHK交響楽団第九演奏会(エッシェンバッハ指揮、合唱:東京オペラシンガーズ)では合唱指揮者を勤めた。
「名曲アルバム」、「らららクラシック」、「題名のない音楽会」、「読響シンフォニックライヴ」等メディア出演も多数。
2015-16-17年NHK交響楽団パーヴォ・ヤルヴィ氏の公式アシスタントを務め、2018年4月よりオーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者に就任。
株式会社AMATI 所属
2019年3月よりフランス・ボルドーを拠点に研修を開始。
フランス国内の歌劇場にてフランス現代オペラを中心に、バロック・オペラに至るまでレパートリーの拡大に務める。加えて、指揮者という視点から欧州の劇場における企画・運営の専門的知識や技術的情報に幅広く接し、日本国内のオペラ・プロダクションの発展を見据えた交流を目指す。また、将来的には邦人オペラ作品の海外発表を目標に照準を当て、欧州現代作品の日本での普及目指しその方法を探る。
2009 | ブザンソン国際指揮者コンクール・セミファイナリスト(6人) |
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2010 | ショルティ国際指揮者コンクール・セミファイナリスト(10人) |
2013 | 東京国際音楽コンクール「指揮」入選(最高位) |
研修成果発表に寄せて
研修期間も残すところあと約2週間という2020年3月、マクロン大統領によるロックダウンの発表が翌日なされるであろうと、私が耳にしたのはパリの日本館(国際大学都市)の自室でした。東急財団と相談の上、緊急帰国、日本にて皆様と悲痛な思いを分かち合う事になります。落ち着いた頃、再びパリに戻って残りの研修を遂げ、しばらく行き来をしましたが、未だ予断は許されない状況にあります。
研修期間中はその後も日仏を頻繁に行き来するような足掛かりを作るため、とにかく勉強に明け暮れました。またフランス人の現代作曲家との親交を深め、日本を舞台にした現代フランス・オペラの日本上演も話が進んでおりました。それらは当然白紙に戻りましたが、倉本聰先生代表作の一つである「ニングル」のオペラ化、世界初演指揮のご依頼を頂きました。その時点で、幾つか他団体とオペラは決まっていましたが、この「ニングル」のオペラ化を成果発表の機会にさせて頂きたいと思った最大の要因は、「原作の題材が地球・自然に対し普遍的で、今まさに全世界人類に問うべきもの」であったことでした。その美しき内容が、音楽という風に乗り、オペラ作品としていずれ日本から飛び出していくのではと、いや、越えてゆく演奏をすることが自身の使命であり、受賞において、今できる最大の発表ではないかと光を見た気がしました。
この事は、渡欧前、研修目標の一つとして掲げた「現代オペラで国境を越えたい」という気持ちとも見事に重なりました。作曲は渡辺俊幸先生、演出家は私のオペラデビューを見守り下さり、五島記念文化賞オペラ新人賞の大先輩でもある岩田達宗さん、オーケストラはその後の私のオペラ経験の礎を導いて下さっている東京フィルハーモニー交響楽団、そしてプロダクションはデビューから多くの現代作品で私をピットインさせて下さった日本オペラ振興会です。公演中は私の成果発表の場としてではなく、作品誕生の瞬間として皆様に立ち会って頂けますと幸いです。
最後になりましたが、研修にあたりご理解を頂いた多くの関係者様、また成果発表として温かくお認め頂き、ご支援頂いた東急財団様に心から感謝申し上げます。
田中 祐子
原作 | 倉本聰 | ||
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作曲 | 渡辺俊幸 | ||
オペラ脚本 | 吉田雄生 | ||
総監督 | 郡愛子 | ||
指揮 | 田中祐子 | ||
演出 | 岩田達宗 | ||
日時 | 2024年2月10日(土)、11日(日祝)、12日(月振) | ||
開演 | 14時 | ||
場所 | めぐろパーシモンホール 大ホール | ||
合唱 | 日本オペラ協会合唱団 | ||
管弦楽 | 東京フィルハーモニー交響楽団 |
勇太(ユタ) | 須藤慎吾(10日・12日) | 村松恒矢(11日) |
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才三 | 海道弘昭(10日・12日) | 渡辺康(11日) |
かつら | 佐藤美枝子(10日・12日) | 光岡暁恵(11日) |
ミクリ | 別府美沙子(10日・12日) | 相樂和子(11日) |
スカンポ | 中桐かなえ(10日・12日) | 井上華那(11日) |
光介 | 杉尾真吾(10日・12日) | 和下田大典(11日) |
信次 | 黄木透(10日・12日) | 勝又康介(11日) |
民吉 | 久保田真澄(10日・12日) | 泉良平(11日) |
ニングルの長 | 江原啓之(10日・12日) | 山田大智(11日) |
かや | 丸尾有香(10日・12日) | 長島由佳(11日) |
信子 | 佐藤恵利(10日・11日・12日) |
合唱指揮 | 河原哲也 |
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美術 | 松生紘子 |
衣装 | 下斗米大輔 |
照明 | 大島祐夫 |
振付 | 古賀豊 |
舞台監督 | 伊藤潤 |
副指揮 | 諸遊耕史 鏑木蓉馬 |
演出助手 | 三浦奈綾 | ||
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主催 | 公益財団法人日本オペラ振興会 | ||
公益社団法人日本演奏連盟 | |||
共催 | 公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 | ||
特別協力 | 一般財団法人倉本財団 | ||
都民芸術フェスティバル主催 | 東京都 | ||
公益財団法人東京都歴史文化財団 | |||
助成 | 公益財団法人東急財団 | ||
公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団 | |||
協力 | 太鼓芸能集団 鼓童 | ||
入場料 | S席 15,000円 A席 12,000円 B席 8,000円 C席 3,000円 | ||
お問い合わせ・予約 | 日本オペラ振興会チケットセンター | ||
チケット販売所 | チケットぴあ イープラス ローソンチケット めぐろパーシモンホールチケットセンター |
開催日 | 2024年2月10日(土) 2024年2月11日(日祝) |
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場所 | 終演後会場内にて |
ゲスト | 作曲 渡辺 俊幸 |