平成25年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
国際基督教大学教養学部人文科学科卒業
2004年より2008年まで新国立劇場演出スタッフとして活動。
2008年より2012年までベルリン・コーミッシェ・オーパー演出スタッフとして勤務。
粟国淳、岩田達宗、鵜山仁、栗山民也、田尾下哲、中村敬一、蜷川幸雄、松本重孝、アンドレアス・ホモキ、グリシャ・アサガロフ、ジョナサン・ミラー、セバスチャン・バウムガルテン、デイビッド・パウントニー、ハンス=ペーター・レーマン、フィリップ・アルロー、ベネディクト・フォン・ペーター、マティアス・フォン・シュテークマン、マルコ・アルトゥーロ・マレッリ、ヨーゼフ・E・ケップリンガー各氏等のアシスタントを務める。
4歳よりバイオリンを始め、在学時にアジア・ユース・オーケストラのヨーロッパツアーに参加。18歳より演出活動を開始。以来、『魔笛』(1999年・国際基督教大学D館講堂、2002年・三鷹公会堂)、『夏の夜の夢』(2000年・国際基督教大学新D館ホール、2003年・西東京公会堂)、『ハムレット』(2004年・明石スタジオ)、『イドメネオ』(2005年・セシオン杉並)、『ヘンゼルとグレーテル』(2005年・新国立劇場中劇場)、『“シュフルーリ氏”&“ポムダピ”』(2007年・モーツァルト劇場による日本初演)、『歌劇・梧桐雨 – The Firmiana Rain』(2007年・台湾国家戯劇院における世界初演)、『子どもと魔法』(2011年・ケルン歌劇場)、『妖精の女王』(2011年・コーミッシェ・オーパー、コンサート構成演出)、『フィガロの結婚』(2012年・日生劇場開場50周年記念公演)等を演出している。
12月からミラノ・スカラ座等を拠点に舞台制作の現場に参加し、稽古から上演の実態、劇場の運営システムを学び、劇場と観客との関わり、社会におけるオペラ文化の在り方を考える。劇場外の文化活動にも目を向けながら、自身のレパートリーの拡大に務め、今後の活動の可能性を探る。
2008 | 文化庁新進芸術家海外留学制度派遣生 |
---|---|
2009 | リヒャルト・ヴァーグナー国際財団バイロイト音楽祭奨学生 |
この度、五島記念文化財団オペラ新人賞・海外研修の成果発表として、日生劇場『コジ・ファン・トゥッテ』公演を演出いたします。
2012年秋に日生劇場にて演出した『フィガロの結婚』公演の内容を評価していただいてのオペラ新人賞でしたので、それから6年経った今、『フィガロ』と同じ作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテの名デュオによる傑作三連作の最後を飾る作品に取り組む事は、私自身とっての大きな挑戦でもあります。
五島記念文化財団の助成による海外研修の期間は、演出家としての視野を広げるという意味で、とても貴重な機会となりました。ミラノ・スカラ座、フランス・リヨン歌劇場、ワルシャワ・ポーランド国立歌劇場、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場等でのプロダクションの現場に参加できたことに加えて、ドイツ、スイスの各地でストレートプレイ、人形劇、ミュージカル等、他ジャンルの多様な舞台作りの様子を拝見、また、美術や映像のスタジオといった場で、アナログ・デジタル双方の舞台技術者の作業を間近で勉強するなど、舞台作りにまつわる様々な経験を積むことができましたし、訪れる先それぞれの街で著名な美術館・博物館や教会などの建築などを見学して、幅広く文化全般に触れる事もできました。散歩した通りの匂い、コーヒーを飲むために立ち寄ったカフェの雰囲気など、各々の街独特の空気感を肌で感じた時間は、自分の今後の活動にとっても大きな意味を持ち続ける事と思います。
研修期間中には、「劇場」そして「オペラ」が現代社会を映す鏡であることを改めて実感することもできました。今回取り組む『コジ・ファン・トゥッテ』は、邦題は『女はみんなこうしたもの』、そして副題は『恋人たちの学校』となっています。1790年に初演された作品ですが、根底に貫かれている“人間とはどのような存在なのか”という問いは、例えば人工知能という“脅威”に晒された現代だからこそ、改めて重要な意味を持つテーマでもあります。
古典作品に内包されたテーマを、今日どのように舞台上に表現するのか。現代社会を映し出す鏡としての「オペラ」の表現にこだわりながら、演出に取り組みたいと考えています。
菅尾 友
日時 | 11月10日(土) | 11月11日(日) |
---|---|---|
開演・開場 | 12:30/13:30 | |
場所 | 日生劇場 | |
チケット | 日生劇場:03-3503-3111 二期会チケットセンター:03-3796-1831 チケットぴあ:0570-02-9999/Pコード348-488 イープラス ローソンチケット:0570-000-407/Lコード[34075] | |
入場料 | S席/9,000円 A席/7,000円 B席/5,000円 学生席/3,000円 | |
主催・企画・制作 | 公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】 | |
助成 | 芸術文化振興基金 公益財団法人ロームミュージックファンデーション 公益財団法人花王芸術・科学財団 公益財団法人朝日新聞文化財団 公益財団法人五島記念文化財団 | |
後援 | 東京都 | |
協賛 | 日本生命保険相互会社 | |
台本 | ロレンツォ・ダ・ポンテ | |
作曲 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト | |
指揮 | 広上淳一 | |
演出 | 菅尾友 | |
管弦楽 | 読売日本交響楽団 | |
合唱 | C.ヴィレッジシンガーズ |
フィオルディリージ | 嘉目真木子(10日) | 髙橋絵理(11日) |
---|---|---|
ドラベッラ | 高野百合絵(10日) | 杉山由紀(11日) |
フェルナンド | 市川浩平(10日) | 村上公太(11日) |
グリエルモ | 加耒徹(10日) | 岡昭宏(11日) |
デスビーナ | 高橋薫子(10日) | 腰越満美(11日) |
ドン・アルフォンソ | 与那城敬(10日) | 大沼徹(11日) |
ドラマトゥルク | 長島確 | |
---|---|---|
美術 | 杉山至 | |
照明 | 吉本有輝子 | |
衣装 | 武田久美子 | |
映像 | 山田晋平 | |
演出助手 | 手塚優子 | |
舞台監督 | 幸泉浩司、蒲倉潤(アートクリエイション) | |
合唱指揮・副指揮 | 垣内悠希 | |
コレペティトゥア | 平塚洋子、矢崎貴子、田島亘祥 |
* やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合があります。予めご了承ください。
* ダブルキャストとなります。