平成19年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
慶応義塾高校中退。那覇にて真喜志勉に絵画を師事。
イメージフォーラム付属映像研究所(19期)で映像を学ぶ。
有機的な線描による抽象絵画の制作過程をコマ単位の撮影によってアニメーション化する映像作品と、インスタレーションを制作する。映像作品に『部屋/形態』(’99) や、愛知芸術文化センターオリジナル映像作品『フーガの技法』(’01)などがあり、それら作品は、香港国際映画祭、トロント国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭など国内外の多くの国際映画祭、ウォーカー・アート・センター(アメリカ)などの美術館で上映されている。また映像を使用したインスタレーションに、『もっと光を!もっと闇を!Vol.2 絵馬・絵巻』(’03、世田谷美術館)などがある。
本年4月に開催予定の横浜美術館『水の情景-モネ、大観から現代まで』展や横須賀美術館開館記念展などで作品発表予定。また、愛知芸術文化センターでの詩人吉増剛造、チェンバリスト中野振一郎との共演や、ヴォイスパフォーマー足立智美のサウンドによるライブペインティングなど、他分野の表現者とのライブセッションに積極的に取り組むなど、領域を自在に横断しながらの表現活動を展開している。
本財団の助成により来年3月からアニメーション、実験映画、ビデオアートなどの映像芸術において特殊な歴史を持つカナダ・トロントを拠点に研修する予定。また北米とヨーロッパでの作品発表を行う。
1999 | イメージフォーラム・フェスティバル’99 特選 |
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1999 | アート公募99 審査委員賞 |
2000 | レティナ2000国際映画祭(ハンガリー) 第2位 |
2003 | イメージズ映画祭(2003 カナダ) 最優秀国際映画賞 |
本展は、タカ・イシイギャラリーと五島記念文化財団による共催となります。タカ・イシイギャラリーでの二度目の個展となる本展では、波のように増殖する有機的な線を一コマずつ描いては撮る手法で「映像」に変貌させるドローイングアニメーションによる最新作品を展示致します。今回の作品では、コンクリートの壁と床にチョークでドローイングが描かれ、そしてそこに水が撒かれてチョークの線が消えてゆき、撒かれた水もまた乾いて消えてゆく、その反復するイメージが描かれています。コンクリートの壁と床に対して、定着ができない素材が使用されていることで、生成し消滅していくイメージの連鎖がよりいっそう浮き上がります。またこれは、石田の五島記念文化財団の助成によるカナダとイギリスでの滞在中に制作された「リフレクション」の対となる作品でもあります。「リフレクション」がそうであったように、スタジオ内の人工の照明ではなく、制御のできない自然光を取り入れることによって、ドキュメンタリーとしての側面に対しても新たな冒険がなされています。
これまで石田は、「部屋/形態」(1999年)、「椅子とスクリーン」(2003年)、「海の壁 生成する庭」 「海の映画」(2007年、横浜美術館公開制作)、「リフレクション」(2009年)、「白い部屋」(2012年)などのドローイングアニメーション作品において、おもに絵具を使用していましたが、チョークを使った試みは今回の作品が初めてとなります。そして、水で描くという行為は、東京都現代美術館で展示された沖縄の浜辺に絵を描くドキュメンタリー「浜の絵」(2011年)や、夏のコンクリートの地面に即興で絵を描いていた「夏の絵」(2010年)などの作品で試された技法であり、その発展といえるでしょう。また、原稿用紙に描かれたドローイングを透過光で組み合わせる極めて実験的な新作もあわせて発表致します。
「燃える椅子」は、これまでの作品のなかでもっとも夢の領域に近づいた仕事だと感じている。「リフレクション」が昼の絵画だったとすると、これは夜の絵画だと思う。
石田尚志
日時 | 平成25年10月26日(土) ~ 11月22日(金)12時~19時 日・月・祝日休館 |
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場所 | タカ・イシイギャラリー (東京・清澄) 住所: 〒135-0024 東京都江東区 清澄1-3-2 5F 電話: 03-5646-6050 |
URL | www.takaishiigallery.com/ |