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平成20年度新人賞

伊香 修吾 (いこう しゅうご)

  • 受賞対象:演出
  • 研修地:ウィーン
  • 出身地:岩手県出身 オーストリア・ウィーン在住

受賞者プロフィール

プロフィールは受賞時の情報を掲載しております

岩手県立盛岡第一高等学校卒業。東京大学経済学部を経て同大学院経済学研究科修士課程修了。その後ロータリー国際親善奨学金および野村国際文化財団奨学金を受けてロンドンに学び、ミドルセックス大学大学院舞台演出科修士課程修了。

現在主にオペラの分野において活動しており、1997年から2006年まで、自身が東京に設立したフライングマウスオペラを主宰する。

これまでの演出作品として、オペラに「コジ・ファン・トゥッテ」「つばめ」「カルメン」「リゴレット」「ジャンニ・スキッキ」、オペレッタに「こうもり」「メリー・ウィドウ」「チャールダーシュの女王」、サルスエラに「パロマの夜祭」があり、オペレッタ作品では訳詞も手がけている。またこれまでに英国ロイヤルオペラ、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭、東京のオペラの森、ウィーン・フォルクスオーパー、バーデン市立劇場、英国スタンリーホールオペラ、横浜オペラ未来プロジェクト、新国立劇場、ベルリン・イントランジット芸術祭などの公演に参加し、ミヒャエル・ハンペ、クリスティーネ・ミーリッツ、ピエール・アウディ、マルコ・アルトゥーロ・マレッリ、ロベルト・ヘルツル、ロバート・ベイリー、デイヴィッド・エドワーズ、マイケル・マカーフェリー、渡辺和子などのアシスタントを務めている。

本財団助成による海外研修

本年7月から、ウィーン国立歌劇場、ウィーン・フォルクスオーパー、ザルツブルク音楽祭などの公演に参加して研鑽を積む予定である。また同時に、オペラの現場で必要とされる諸外国語の習得に努めるほか、オペラ、演劇、ミュージカル、バレエ、コンテンポラリーダンスなど、舞台芸術全般のリサーチ活動にも引き続き力を注ぎ、分野横断的に今後の活動の可能性を追求していく。

海外研修成果発表のご紹介

伊香修吾 オペラ新人賞研修帰国記念 演出

このたび、研修成果発表としてNISSAY OPERA 2017「ラ・ボエーム」(主催:日生劇場)を演出することをたいへん嬉しく思います。今回の公演は、プッチーニのこの傑作オペラを宮本益光さんが日本語に「訳し下ろし」、日本を代表する歌手やスタッフが参加して初演するという特色あるものです。五島記念文化賞オペラ新人賞の受賞から海外研修、そして今回の成果発表まで、一連の機会を与えてくださった関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

オペラの演出家になるためにはどんな勉強をすれば良いのですか、としばしば尋ねられます。終わりのない修行の途上にある私にとってこれほど答えにくい質問はありませんし、「センスが全てですね」と言い切ってしまえるほどの自信も経験も持ち合わせていません。ただ、ほぼ確実に言えるのは、多くの場合外国語で書かれているオペラの台本を読み解くには語学の能力が求められるだろうし、楽譜を読むためには音楽の勉強もある程度必要だろう、ということです。また、これから演出する作品の時代設定や場所を知らなければならないという点では、歴史も必修と思われます。しかもその「歴史」は、細かく見れば政治史、経済史、社会史、文化史などに分かれるでしょうから、この調子で数え上げていくと、勉強すべきと思われる科目数には際限がなさそうです。かといって、それぞれの分野の専門家になるわけではないので、「何をどこまで知っておけば良いのか」を自分なりに見極める能力が大切になってくるとも言えます。

ヨーロッパで研修した1 年間は、私にとって、上のようなさまざまな分野を横断的に勉強する基本的な姿勢や技術を身につけることを可能ならしめた時間でした。ザルツブルク音楽祭やウィーン国立歌劇場などのプロダクションに演出助手として参加してオペラ制作現場での経験を積みつつ、複数の語学学校に通い、美術館や博物館に足を運び、観劇に明け暮れ、また多くの書物に触れることができたのは、ひとえにそのような作業に集中できる環境が与えられたからでした。

実際の研修終了から研修成果発表まで時間が空いてしまいましたが、この間も、研修中に身につけたことを基礎として活動してきたことに変わりはありません。今回の「ラ・ボエーム」の準備過程においても、またまもなく始まる立ち稽古においても、研修中に学んだことが活かされた、または活かされると信じていますし、それは今後においても私の活動の基礎であり、かつ財産であり続けると考えています。そしてその財産を大切にしながら、引き続きこつこつと歩んでいきたいと願っています。

伊香修吾 演出公演

日時平成29年6月18日(日)、6月24日(土)
開演・開場13:30/13:00
場所日生劇場
主催・企画・制作公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】
協賛日本生命保険相互会社
助成公益財団法人五島記念文化財団
台本ジュゼッペ・ジャコーザ、リイージ・イリッカ
作曲ジャコモ・プッチーニ
指揮園田隆一郎
演出伊香修吾
管弦楽新日本フィルハーモニー交響楽団
作曲ジャコモ・プッチーニ

配役

ミミ砂川涼子(18日)北原瑠美(24日)
ロドルフォ宮里直樹(18日)樋口達哉(24日)
マルチェッロ大山大輔(18日)桝貴志(24日)
ショナール池内響(18日)近藤圭(24日)
コッリーネデニス・ビシュニャ(18日)三戸大久(24日)
ムゼッタ柴田紗貴子(18日)髙橋絵理(24日)
パルピニョール岸浪愛学(18日)青柳貴夫(24日)
アルチンドロ相沢創(18日)小田桐貴樹(24日)
ベノア清水良一(18日)押見春喜(24日)

ダブルキャストとなります。やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合があります。予めご了承ください。

スタッフ

装置二村周作
照明齋藤茂男
衣装十川ヒロコ
日本語訳詞・字幕宮本益光
舞台監督幸泉浩司(アートクリエイション)
演出助手手塚優子
合唱指揮田中信昭
児童合唱指導籾山真紀子
副指揮鈴木恵里奈、水戸博之、喜古恵理香
コレペティトゥア平塚洋子、星和代、経種美和子
合唱C.ヴィレッジシンガーズ
児童合唱パピーコーラスクラブ
料金S席/9,000円
A席/7,000円
B席/5,000円
学生席/3,000円
チケット取扱い
お問い合わせ
日生劇場
Tel:03-3503-3111
二期会チケットセンター
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Pコード:313-855
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