平成17年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
平成16年金沢美術工芸大学大学院博士課程彫刻専攻修了。博士(芸術)大学院で湯原和夫、篠田守男両教授に学ぶ。
博士論文「作者・作品・鑑賞者」では、ロバート・モリスを中心にモダン美術を、また、シミュレーショニズム、リレーショナル・アートを中心にポスト・モダン美術をその研究対象とし、作者・作品・鑑賞者の新たな関係を追究した。
作品は論文同様、作者・作品・鑑賞者の新たな関係を提示し、その作品を一言で表すなら「遊具」である。例えば公園に埋め込まれたタイヤは、その遊び方を設置者によって決められてはいない。その遊び方は、タイヤと関わる子供達によって主体的に見出されるものである。その意味で作品は、鑑賞者によって主体的に見出されるもの、触ってみなければ分からない「遊具」なのである。触れると変形してしまう羊毛などの柔らかい素材や鑑賞者を参加させるような作品様式も、そのような考えを反映している。
個展は、「鎮魂曲&地獄門」(平成15年:台湾・高雄市立美術館、平成16年:台湾・苗栗県立木彫博物館)、「遊具連関vol.3」(平成16年:金沢市民芸術村)など多数開催。
その他にも「群馬青年ビエンナーレ」など多数に出品。
平成17年の6月からアメリカを拠点に研修。特に、ポストコロニアル美術の再検討をテーマにそれに携わるアメリカ・南米諸国の日系人作家を訪問する。
2002 | 国際丹南アートフェスティバル 優秀賞 |
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2002 | 北陸中日美術展 石川テレビ賞 |
第16回五島記念文化賞美術新人賞を受賞し、アメリカ滞在研修などを経て、今注目を集める若手彫刻家・土田俊介の展覧会「考えても作れないんだけど、考えていないと出会えないモノ。」を、横浜BankARTと札幌CAI02で開催します。
土田俊介は、近年、人工の皮膚やスパンコール布、スポンジといった特徴的な素材を鉄の檻の中に押し込んだ作品を制作しています。それは残虐でおぞましく見えたかと思うと、かわいらしく愛おしく見えたり、マッチョな古典彫刻のように見えたかと思うと、軽やかでポップな現代美術のように見えたり、不思議な感覚を我々に与えます。まるでやっと捕まえた答えが、捕まえたと思った途端に指の間をすり抜け逃げ去り、そうしている間に目の前を新たな答えが飛んでいく、そんな風景を見たかのようなこの感覚は、「誤読」の循環構造によるものです。彼はこの構造を『ファニー』と呼び、作品に好んで用います。
この構造によって、作品の間違った意味も、正しい意味も、そもそも作品自体が鑑賞者である我々によって作られた自らの投影であることを知らせ、また同時に一般的な美術における作者がフィクションであることをあぶり出して見せるのです。土田は言います。ファニー構造を持つ作品は「考えても作れないんだけど、考えてないと出会えない」と。ひょっとするとその作品は、作者というものの新しいあり方を問う試みなのかもしれません。
作者ではない“作者”土田俊介が作り出す作品を是非ご覧ください。
日時 | 平成23年3月16日(水)~ 3月30日(水) なお、諸般の事情によりオープニングトーク&パーティーは 3月24日に変更になりました。 |
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場所 | Bank ART Studio NYK / MINI ギャラリー(横浜) |
住所 | 横浜市中区海岸通3-9 |
TEL | 045-663-2812 |
URL | www.bankart1929.com |
日時 | 平成23年5月7日(土) ~ 5月28日(土) |
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場所 | CAI02(札幌) |
住所 | 札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2 |
TEL | 011-802-6438 |
URL | www.cai-net.jp/ |