平成4年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
昭和61年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
大学では福島敬恭氏および小清水漸氏に、大学院では野崎一良氏に師事。
大学在学中の昭和58年に京都のギャラリーすずきで初個展を開催。以来、昭和60年:信濃橋画廊(大阪)、アートスペース虹(京都)、昭和62年:村松画廊(東京)、昭和63年:信濃橋画廊(東京)、平成元年:ギャラリー16(京都)、モーリ・ギャラリー(大阪)、平成2年:大阪府立現代美術センター「今日の作家展」、コバヤシ画廊(東京)、ギャラリーKURANUKI(大阪)、平成3年:信濃橋画廊で個展を開く。
京都、兵庫、宮城、山口などの各県立美術館でのグループ展にも出品。
木、大理石、ブランズ、アルミなど、素材と作者の関わりを強く前面に打ち出した独自の作風を展開している。
平成4年11月からドイツ・デュッセルドルフで研修。
1983 | 京都府美術展 奨励賞 |
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1989 | 次代を担う作家展 大賞 |
スペースキャッチャー(シリコンラバーによる作品)
マンフレッド・シュネッケンブルガー
彼の彫刻は多くのアスペクトをふくんでいるが、しかしそれらは文字どおり一体のものとして生じている。これまで松井は十数年にわたって、たえまなく日本のさまざまな素材的伝統と近代末期のいくつかの状況を駆け抜けてきた。徹頭徹尾、手仕事的な方向性をもって、最初かれは木や土や紙に取り組み、それらによって花にかんするモニュメンタルなモティーフを築きあげている。彼は、銅や鋼鉄や真鍮やアルミニウムや、さらには大理石といった素材の可能性を探る。ハンマーでたたき、穴をうがち、鋳込み、溶接し、机か噴水のような大きく力強い花弁に緑青を浮かせる。彼は、重量感のあるこれらの彫刻を空間へと突出させると同時に、量感と重みによって内に押しとどめる。一九九〇年ころ空間への関係は、きわめて広範囲におよぶものであったが、また多様なニュアンスを持つものでもあった。床にはいくつかの軌道があり、その軌道は円盤状のものによってリズミカルに区切られつつ延びていく。そこからこんにちの作品では、ますます厳格な一貫性を増して展開するようになる。中心的なテーマは、空間の把握、である。
(寄稿より 訳:小林信之)
日時 | 平成7年7月3日(月) ~ 29日(土) |
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場所 | 東京画廊(銀座) |