平成18年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
平成11年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
大学在学中より「日本画」の枠を超えた作品を発表。
廃材を使った立体作品や錆を使った抽象の平面作品、水を使った墨の作品などで自然の力から触発された自身のイメージの発露を探る作業を行う。
近作では、つぎはぎの和紙で、支持体に増殖する絵巻物のようなイメージを描きこみ、現代の日本に生きる絵描きの世界の見え方を模索している。
平成16年に第2回東山魁夷記念・日経日本画大賞に最年少でノミネートされる。
平成17年に自主企画「日本画ジャック」(京都文化博物館)を開催。
平成18年1月に、「MOTアニュアル 2006 No Border 「日本画」から/「日本画」へ」(東京都現代美術館)に出品するなど活躍。
また、教え子である高校生たちとプロジェクト「くらやみのひかり」を展開し約200枚の祈りの写真の展示やカフェギャラリーの運営を行う。さらに、「すきまをみつめる」というプロジェクトでは、地元である奈良の良さを再発見するためにアートマップを制作し、「巡礼」と題して様々なイベントを企画している。
日本における奈良をヨーロッパにおけるフィレンツェと置き換えてみると色々な共通点が見えてくる。共にアートの中心地ではないが古美術の大きな遺産を抱えている。ローカルな場所で生まれる必然的な芸術と、文化を超え世界的に評価されるユニバーサルな芸術との関係性を見極めると共にフレスコ、テンペラなどの古典技法習得を通して、日本の奈良に住む絵描きの必然的な支持体、技法、テーマを見つけることを目的に平成19年3月からイタリア・フィレンツェを拠点として研修の予定。
2002 | 第2回トリエンナーレ豊橋・星野眞吾賞展 大賞 |
---|
どうやらぼくは信じられるものを探しているらしい。そしてそのことと描くことは密接に繋がっているようだ。
既存の宗教が大きな過ちを犯し、母なる大地が大きく揺れ動いた一九九五年、ぼくはまだ二十二歳だった。それまでぼくをぼんやりと包んでいた安心感と、先行き不透明な不安感といった相反するものが、初めて切実に問われた瞬間でもあった。大きな存在を信じたいけどそんなものはもうどこにもない。でも何も信じることなく進む人生なんて恐くて想像したくもない。
大袈裟に言うと、この年に最悪のたれ死にを覚悟してでも描き続けていくという肝がすわった。
これまでに「ぼくの神さま」というタイトルで描かれたぼくの絵は何枚かある。過度な幸福感に包まれたり、のがれようのない不安感にさいなまれたときにこのモチーフに取りかかるようだ。
会場には横10メートルほどのワイド画面に、どうしようもなくチープでハイブリッドな継ぎはぎ神さまが多数立ち上がるだろう。
これはぼくの象徴作りなのである。
(三瀬夏之介)
日時 | 平成23年2月4日(金)~ 2月26日(土) |
---|---|
場所 | 京都市立芸術大学ギャラリー(京都) |
日時 | 平成22年11月1日(月) ~ 11月30日(火) |
---|---|
場所 | 第一生命ギャラリー(東京) |
日時 | 平成22年10月29日(金) ~ 12月11日(土) |
---|---|
場所 | イムラアートギャラリー東京 |
日時 | 平成22年10月2日(土) ~ 10月23日(土) |
---|---|
場所 | イムラアートギャラリー京都 |