平成27年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
武蔵野音楽大学大学院音楽研究科修士課程修了
チューリヒ芸術大学大学院リート室内学科リート専攻修了
子安ゆかり、ハルトムート・ヘル、ダニエル・フエターの諸氏に歌曲演奏法、横山修司、オラフ・シュトアベク、ベルンハルト・エプシュタイン、ヘイン・ボーテルベルクの諸氏にコレペティトゥアを師事。
2010年渡欧、チューリヒ芸術大学リート室内楽科にて歌曲演奏、特にドイツ・リートを集中的に学ぶ。同大学院を修了後、2012年ドイツ・シュトゥットガルト音楽演劇大学大学院コレペティトゥア科入学(休学中)、現在ベルギー・インターナショナルオペラアカデミー(IOA)コレペティトゥア研修生。
チューリヒ芸術大学在学中より学内オペラ公演にコレペティトゥアとして携わる。2014年には、アルデン・ビーゼン サマーオペラ(ベルギー・ビルゼン)『ドン・ジョヴァンニ』、モネ劇場(ベルギー・ブリュッセル)『シェル・ショック』でコレペティトゥアを務め、2015年にはIOA (ベルギー・ゲント)『春のめざめ』および、フランダースオペラ(ベルギー・アントワープ)『ドン・ジョヴァンニ』のオペラ公演のコレペティトゥアを務める予定。
また、2011年にチューリヒ芸術祭(スイス・チューリヒ)、2014年にはワーグナー協会(ベルギー・ゲント)主催のコンサートでピアニストを務めるなど、リート・ピアニストとしての活動も行っている。
2015年6月まではベルギー・ゲント、10月からはドイツ・シュトゥットガルトを拠点に、コレペティトゥアとしてのスキルとレパートリーの拡充を図る。またイタリア語、フランス語の語学研修を行い、ドイツ語、英語に加えて、複数言語でのコミュニケーション力を更に伸ばす。コレペティトゥアとしての研鑽を更に積むべく、歌劇場のコレペティトゥアのオーディションに果敢に挑戦していく。
この度、東急財団さま始め、たくさんの方のご尽力、ご支援やご協力をいただいて、海外研修発表として演奏会をさせていただけること、心より感謝申し上げます。
もともとドイツ・リート(歌曲)を勉強しようとスイス・チューリヒに渡ったのが大きなきっかけとなって、歌手とのアンサンブルを一生の仕事にしたいと強く思うようになりました。そのためにはオペラの理解も深めたいと、ドイツ・シュトゥットガルトとベルギー・ゲントに勉強の場を移し、オペラ劇場のコレペティトゥアになろうと志しました。その時にいただいたのがオペラ新人賞です。当時、私は「コレペティトゥア」という道を歩き始めたばかりでした。そんな右も左も分からない中で、大きく背中を押してくれたのが、この新人賞です。今回は私の原点であるドイツ・リートと、日々取り組んでおりますオペラを同時に演奏させていただけることになり、夢のようです。
「オペラ劇場のコレペティトゥアってどんな仕事なの?」と、ドイツでも訊かれることがあります。実際、一言で言い表すのが難しい職業です。オペラ公演のためのリハーサルでピアノを弾くことも、そのために歌手と事前に準備をすることも、演奏会でピアノを弾くことも、コレペティトゥアの仕事です。でもピアノを弾くだけではありません。歌手が病気等でリハーサルを休んだ時、ピアノを弾きながら代わりに歌うこともあります。指揮をすることもあります。普段表に出ることは少ないですが、「オペラ公演の音楽全般に関わる職業」と言えるかも知れません。
どんな職業にも通じることとは思いますが、ドイツ・リートもオペラも、人と人との共同作業を積み重ねたアンサンブルです。特に私がいつもコレペティトゥアとして感動するのは、個の力は弱くとも、それが何十人、何百人と集まることによって、一人ではとても不可能な事を、可能にしてしまう、あるいは可能にしようとするそのエネルギーです。そこには作曲家の人生をかけた作品があり、その作品の上演に現代の私たちも人生をかけています。演奏会の会場には、あるいはオペラ劇場には、上演される作品自体のドラマだけではなく、上演に関わる全ての人たちの人生のドラマがあり、そこにもちろんお客さまの人生も、映されているのだと私は思います。
今回の演奏会には、ソリストに三宅理恵さん、照屋篤紀さん、原田圭さん、合唱指揮に水戸博之さん、朗読に山本郁子さん、演出に伊香 修吾さんという、ご活躍の皆さんに共演していただきます。私自身、これから共演者の皆さんと、どんなドラマを共有できるのか、とても楽しみにしております。
それを8月2日に、多くのお客さまに聴いていただけましたら、そしてお客様ともそのドラマを共有できましたら、大変光栄です。
荒井 美礼
日時 | 2019年8月2日(金) |
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開演 | 18:30 |
場所 | 紀尾井ホール |
ピアノ | 荒井美礼 |
助演 | 三宅理恵(ソプラノ) 照屋篤紀(テノール) 原田 圭(バリトン) 二期会合唱団 |
合唱指揮 | 水戸博之 |
朗読 | 山本郁子 |
演出 | 伊香修吾 |
主催 | 公益財団法人東急財団 |
後援 | ベルギー王国大使館 |
入場料 | 全席指定:4,000円 |
チケット取扱い お問い合わせ | センターヴィレッジ Tel:03-5774-3040 |
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紀尾井ホールチケットセンター Tel:03-3237-0061 |