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平成28年度新人賞

川村 亘平 (かわむら こうへい)

  • 受賞対象:影絵
  • 研修地:インドネシア共和国・バリ島
  • 出身地:東京都杉並区出身 東京都杉並区在住

受賞者プロフィール

プロフィールは受賞時の情報を掲載しております

東京都杉並区出身 東京都杉並区在住
亜細亜大学 国際関係学部 国際関係学科卒業

影絵(演出/上演/デザイン)と音楽(青銅打楽器ガムラン他)の作品制作・パフォーマンスを中心に活動する芸術家。
大学在学中、学内に新設された青銅打楽器【ガムラン】のグループに興味を持ち演奏活動を始める。2003年、インドネシア共和国・バリ島に音楽留学し、現地滞在中に古典影絵【WAYANG KULIT ワヤン・クリット】と出会ったことをきっかけに、2005年頃から演劇やインスタレーションなど独自の影絵制作を始める。

シリーズ企画「ボクと影絵と音楽」(2009〜)では、脚本、演出、出演、デザインを自身が行い上演する。2015年には音楽家・田中馨との共作「小人が巨人に恋をした」が、クラウドファンディングにより資金を集めDVD化される。

近年の主な活動として2012年に主宰するパフォーマンスユニット【滞空時間】で東南アジアツアー「滞空時間東南アジアツアー」MUSEUM TOPENG(インドネシア・バリ島)/ LOT10(マレーシア・クアラルンプール)。2013年夜の商店街のシャッターに影絵を灯す「丸亀影絵通り」丸亀駅前商店街(香川県丸亀市)。2014年『恵比寿演舞場~「踊る」とは何か~』東京都立写真美術館(東京都)、「サントリー美術館影絵WS」サントリー美術館(東京都)、山形の民話をもとに影絵「地蔵について」山形ビエンナーレ(山形県山形市)。2015年には福島県南相馬市の市民参加者と東北芸術工科大学の学生とともに南相馬の民話をもとにした影絵「ヘビワヘビワ〜南相馬小高区に伝わる大蛇伝説より」稲荷神社(福島県福島市)/ 東北芸術工科大学(山形県山形市)、影絵個展「MATA AIR」相模湖交流センター(神奈川県相模原市)、バンド『cero』のアルバム、MV等に影絵作品を提供。

本財団助成による海外研修

2016年11月よりインドネシア共和国・バリ島を拠点に研修を開始する。
バリ島の伝統影絵【WAYANG KULIT】の上演、デザインの調査研究、および習得を中心に、インドネシア国内に残る儀礼や伝統芸能、美術、またそこから育まれた新しい芸術家たちとの交流を通じ、新たな影絵作品を制作する。

海外研修成果発表のご紹介

川村 亘平 美術新人賞研修帰国記念

それは絵でもなく、アニメや動画でもない。「影」は「現象」である。

捉え所のない影の世界を深く知りたいと思い、影絵の伝統文化の残るインドネシア・バリ島へ渡り、伝統影絵芝居「ワヤン・クリット」を学んだ。バリ島に滞在したあの1年間は、研修と言う言葉を超えて、修行だった。影絵芝居に付随する神話や哲学、それを語るためのいくつもの言語、音楽に歌、さらには呪文。それら全てを習得し、現地の祭りで、現地の人々が見守る中、古典影絵の通過儀礼的上演を行った。

修行の過程で、我が師であるバリの老影絵師は、影絵芝居とは一体なんであるか?その哲学を、語ってくれた。

「影絵とは現実と非現実の間である」

彼らにとって影絵とは、今を生きる私たち(生者・現実)から、かつていた誰か(死者・非現実)へアプローチすることだった。超えられないはずの「境界線」を、影絵という現象を通じて越える。バリ島の影絵師達が日々行っていた営みはそれだった。

研修帰国記念成果発表では、「影」を通じて越境していくことをテーマに、在東京外国籍の方達にインタビューし、彼らの影絵人形を製作。彼らの影と言葉を展示・上演する。

海外から多くの人々を受け入れ始めた日本社会だが、海外にルーツを持つ人々と交流を持てている日本人はまだ少ないように思う。本企画は、彼ら・彼女らの「影」と「ささやき」に対峙することで、僕らが無自覚に引いている「境界線」を超えようとする試みである。

川村 亘平斎

タイトル『東京影絵』Tokyo shadow puppet theater
会期2020年11月17日(火)〜29日(日)
会場森岡書店
中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1階
開廊時間12:00〜20:00(最終日は18:00まで/入場無料)
後援東京ビエンナーレ
東京影絵クラブ(東京ビエンナーレ内企画)

本展は、東京ビエンナーレ2020/2021プログラムに参加しています。

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