平成22年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
東京藝術大学美術学部絵画専攻油画領域卒業(卒業制作大学買い上げ賞受賞、大橋賞受賞)、同大学院美術研究科修士課程修了。
同大学美術研究科博士後期課程修了(野村賞受賞)。博士号修得。
平成15年より国内及び海外で発表を続けている。主な個展に、平成18年「その中にある写真」TARO NASU Gallery(東京)、「不在の肖像」広島市現代美術館ミュージアムスタジオ(広島)、平成21年「そのものがそれそのものとして」SHUGOARTS(東京)、「半分グレーでできている」void+(東京)など。
主なグループ展に、平成18年「Rapt! 20 contemporary artists from Japan(国際交流基金主催)」Center for Contemporary Photography(メルボルン他オーストラリア複数会場)、「Taipei Biennial: Dirty Yoga」台北市立美術館(台北)、平成19年「ポートレートセッション」広島市現代美術館(広島)、「VOCA展2007」上野の森美術館(東京)、平成20年「Biennale Cuvee」OK Center for Contemporary Art(リンツ)、「トレース・エレメンツ―日豪の写真メディアにおける精神と記憶」東京オペラシティーアートギャラリー(東京)、Performance Space(シドニー)など。
“絵画を写真にする”という制作方法で、視覚のイニシアティブを問う作品を提示している。
本年8月からヨーロッパ諸国の近代・現代美術に触れ、今後の表現活動の契機とするため、ウィーンを拠点にヨーロッパ各地を視察する。ピクトリアリスムの研究を中心とし、絵画と写真の見解を深めるために研鑽を積む。
五島記念文化賞海外研修は、もうすぐ6年目になるウィーン滞在の始まりです。この研修成果発表展では、アナログ光学式写真とは何かについてもう一度自覚的になり、写真という素材の厚みを提示できるようなものにしたいです。
日本と研修地のオーストリアでは、取り扱いにライセンスの必要な化学薬品や、入手できる現像用品の種類が違います。研修地で手に入れることができる化学薬品で試行錯誤した末に、通常のアナログ光学式現像で画像を定着させたバライタ印画紙から感光済みのハロゲン化銀を除去したあと、直接印画紙にカプラーを含ませて現像する発色カプラー調色へと辿り着きました。
写真の調色は、その土地々々の水質にも大きく影響されます。ウィーンでの現像はさまざまな発見があり、現像と調色の実験は、現在に至るまで続いています。
田口和奈
会期 | 2019年5月8日(水)~6月1日(土) 休館日:月曜・日曜・祝祭日 |
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時間 | 14:00~19:00 |
会場 | void+ |
助成 | 公益財団法人五島記念文化財団 |