平成22年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸コース卒業。
京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程陶磁器科卒業。
重松あゆみ氏に師事。
百円均一の焼きものから、茶道における焼きものまで、幅広い人々に愛される焼きものの存在と、焼きものが持つ縄文から続く長い歴史、そして、人間、時間、空間全てを容れることを可能にする「うつわ」という概念を利用する事により、万能な装置としての立体を陶磁器により制作している。また、作品中に様々な事物を混在させることにより、生活と芸術の接点、人間と万物の接点を探求し、同時に作品が、何ものにも代え難い生命感を得る事を目指している。
平成16年、18年、ギャラリー16(京都)にて個展「コウキュウスキン」、個展「チャンポン」を開催、平成20年イムラアートギャラリー(京都)にて個展「パチモン」を、平成22年イムラアートギャラリー(京都)にて個展「カンゲン」を開催。
平成17年、18年「京都府美術工芸新鋭選抜展」(京都市文化博物館)、平成18年「取っ手に注目」(岐阜県現代陶芸美術館)、平成20年「第11回岡本太郎現代芸術賞展」(川崎市岡本太郎美術館)、所蔵作品展 こども工芸館[装飾/デコ](東京国立近代美術館工芸館)、平成21年岡本敏子賞受賞記念展示(岡本太郎記念館)、「現代工芸への視点 装飾の力」(東京国立近代美術館工芸館)、平成22年京都市立芸術大学サテライトギャラリーにて「きょう・せい」等グループ展も多数。
本年8月からメキシコにおける生と死の捉え方や、土着的感性と外来の文化が結びつき、どのようにして独自の文化へ至ったかを調査する。そして、環境や風土が文化に及ぼす影響という観点から、日本文化と照らし合わせて、相違点や共通点について検証する。そうすることで、日本文化を客観的に捉え、再考察すると共に、国や文化を超える普遍的な魅力について探究する。
2006 | 「京都府美術工芸新鋭選抜展 2006 -新しい波-」 工芸部門・最優秀賞 |
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2008 | 「第11回岡本太郎現代芸術賞展」岡本敏子賞 |
メキシコでの滞在は、私にとって必要な時機に訪れ、多くの人にとって信じられない事が起こってしまった時期と重なりました。
故郷を遠く離れたメキシコにて、困難や矛盾を乗り越える術や糧として機能する芸術の姿や、宗教の存在の必然性と深刻さを目のあたりにして、当初の目的や目論見は影を潜めました。そして、これまでの表現を問い直さねばならない状況へと導かれ、長い葛藤と出会いました。
チアパス地方では、強い光の中で輝く原色が鮮やかで、見るもの全てに根が生えているようにも感じ、自分の根を探し始めました。我々は何を掬ったのか、なぜ土を焼いたのか、足元を見つめ直し、立ち帰る事が必要になりました。メキシコで感じたことや、表現の前にある行為と表現との境にあるものについて、うまく言えたことがないですが、いつかは作品にて伝えたいと思えるようになりました。
私をメキシコに導いて頂いた方々、メキシコで共に生きた方々、見守り続けてくださっている全ての方々に深く感謝いたします。
上田順平
会期 | 2019年1月31日(木)~ 2月17日(日) 会期中無休 |
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時間 | 10:00~18:00 |
会場 | 横浜市民ギャラリー 展示室B1 |
主催 | イムラアートギャラリー |
共催 | 横浜市民ギャラリー |
助成 | 公益財団法人五島記念文化財団 |
協力 | 京セラ株式会社、都窯業株式会社、株式会社タツミ、カネ利陶料有限会社、宝塚大学 |