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平成23年度新人賞

澤 拓 (さわ ひらき)

  • 受賞対象:現代美術
  • 研修地:スイス・北米
  • 出身地:石川県出身 ロンドン在住

受賞者プロフィール

プロフィールは受賞時の情報を掲載しております

ロンドン大学スレード美術学校大学院彫刻科程修了。

平成14年、イギリスで発表した映像作品「dwelling」をきっかけとしてビデオ作品を手がけるようになる。以後、ロンドンを拠点に作家活動を始め国内外で発表する。「dwelling」(2002年)をはじめとした初期の作品、「elsewhere」(2003年)、「trail」(2005年)では、自宅の部屋の中に、自分が慣れ親しんだ飛行機のおもちゃ、食器、文房具、影などが動き回るという、ありふれた日常空間にありえるかもしれない、別の層の日常的風景を表現した。

近年ではマルチスクリーンインスタレーションに時間芸術である音楽を取り入れ、それらを展示空間に立体的に設置することで、映像をただ観るという対象にとどめるのではなく、“経験”するものとして表現する。ブリスベンで開かれたアジア・パシフィックトリエンナーレ2009で発表した「O」(2009年)は円環―廻ってはつながっていく時間―を映像と音を通して空間に表現したものである。

主な展覧会は、平成17年「アートサーカス」横浜トリエンナーレ(横浜)、平成18年「Six Good Reason to Stay at Home」National Museum of Victoria (メルボルン/オーストラリア)、平成20年「アーティストファイル」国立新美術館(東京)、平成21年「Carrousel」 Musée du Temps and Musée National des Beaux-Arts de Besançon (ブゾンソン/フランス)、同年「さわひらき展」オオタファインアーツ(東京)、平成22年「O」James Cohan Gallery(ニューヨーク/アメリカ)、などがある。

本財団助成による海外研修

本年9月からサンフランシスコを拠点とするDVDマガジン出版社「WHOLPHIN」で、映画のプロダクションの手法を取り入れつつ、 作品構想、制作、DVD出版までの一連の過程を経験する。この研修を機に新たな視点から映像と関わり、自身の作品の表現の可能性を拡げることに役立てたい。

これまでの主な受賞歴

2002East International Award 受賞
2006Decibel Award for Artists  受賞

海外研修成果発表のご紹介

澤拓 美術新人賞研修帰国記念

あなたには心地よいと感じる領域はありますか?それはどのくらいの広さで、どんなものに囲まれていると安心ですか?そして、そこはだれか大切な人と共有したい場所ですか?それとも自分だけの秘密にしたい場所ですか?

閉ざされた空間で現実を少しゆがめてみたり、遠い宇宙に思いを馳せてみたり、さわの白昼夢のような映像は、ひとりひとりが持つ居心地のよい領域(テリトリー)、そして時間軸をともなった領域である個人の記憶について考えさせてくれます。私たちはなぜそのような領域を必要とするのでしょうか。

本展では、さわの最初期の作品から一貫して見られる、領域への関心をテーマとして展覧会を構成します。冒頭ではドローイングや立体作品でさわ自身の日常および意識における領域の手がかりを示しつつ、初期の作品から本展のための新作を含め、映像作品をたどりながら考えていきます。

東京オペラシティアートギャラリーの大きな展示室を空間的にとらえ、映像と空間の全体を作品として展示する今回の展覧会は、物理的空間と意識の中の領域を交差させる試みであり、さわにとっても大きな挑戦となります。

日時平成26年1月18日(土) ~ 3月30日(日)
場所東京オペラシティ アートギャラリー (東京・西新宿)
澤拓の成果発表1
澤拓の成果発表2

関連情報