平成25年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業
愛知県立芸術大学美術研究科油画専攻修了
人の顔、あるいは本や食器といった身の回りのものを、3Dコンピュータグラフィクス(3DCG)ソフトでモデリングし、そこに実際の人間や本などの画像を貼り付けたプリント作品、またはアニメーションを主に制作している。3DCGが、はりぼてのように表面だけの構造であることから、物体の表面が物理的規制とは関係なく自由に変化してゆくアニメーション、あるいは緻密でフォトリアルにイメージ化されているが表面だけの人の顔などを通して、作家自身が見ているものが一体何なのかを探求している。
1999年、大学在学中に13名のメンバーとともに「art space dot」を愛知県西春日井郡に設立し作家活動をはじめる。2005年に「very very human」展(豊田市美術館/愛知)に出品した後、2007年には現在のアニメーションの基盤となる作品を含む個展「境面」(ARATANIURANO/東京)を開催。また同年、国立台湾美術館(台湾/台中市)で開催された「Have You Eaten Yet? - 2007 Asian Art Biennial」に参加するなど国外でも注目を浴びるようになる。
近年では、2010年「現代美術の発見VI 渡辺豪 白い話 黒い話」(愛知県美術館/愛知)、2011年「lightedge-境面Ⅱ」、2012年「portraits」(ARATANIURANO/東京)、「faces」(1223現代絵画/東京)での個展、同年「COSMIC TRAVELERS Toward the Unknown」(エスパス ルイ・ヴィトン東京/東京)、「カルペ・ディエム 花として今日を生きる」(豊田市美術館/愛知)のグループ展などで作品を発表している。
これまでの主な作品は、国立台湾美術館(台湾)、豊田市美術館(愛知)、トヨタ自動車株式会社(愛知)、ルイ・ヴィトン(フランス)に収蔵されている。
10月からフィンランドに滞在し、地理的条件によって起こる特別な環境である「白夜」或いはその反対の現象を長い時間を通して経験しながら、その中で得られたイメージやインスピレーションを基に作品を構想して制作する。
“ディスロケーション”は「断層」や「転位」、「脱臼」を意味する言葉です。一見すると関連のないバラバラな意味を重ね持っているようにみえますが、この単語は本来一つに繋がっているもの/事が切り離されていたり、逸脱している状態をあらわしています。ディスロケーションは、一年間のフィンランド滞在、そこでの僕と場所との状態を一言で最もよく示すものです。フィンランドでの生活、−日々を過ごす中で人がその場所に根ざし、場所と一つに結びついて常態を獲得している様子を想起させる− この”生活”において、場所との連続性が絶たれる、ずれてゆく、あるいは切り離されてゆくような経験が度々ありました。それは僕が日本で習慣化していた認識や身体と、「白夜」「極夜」に代表されるフィンランドの独特の光、それに伴う時間、また滞在した場所との関わりによって生じたものでした。
今回の展覧会は、アニメーションを用いたインスタレーションを中心に、フィンランドでの光の移ろいや時間の中で、事象が一つに繋がっている、あるいはすでに逸脱した状態から変化して、不連続の景色を形作ってゆくさまを表現します。
渡辺 豪
日時 | 平成29年10月7日(土) ~ 10月29日(日) 10:00 ~ 18:00 入場無料 |
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場所 | 横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1・2 (神奈川・横浜) |
休館日 | 10月23日(月) * 10月22日(日)はアートフォーラムフェスティバル開催 |
主催 | 横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) 公益財団法人五島記念文化財団 |
協力 | URANO ジャパンマテリアル株式会社 |