平成15年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
京都市立芸術大学美術研究科工芸専攻陶磁器修了。
栗木達介、秋山 陽、佐藤 敏、長谷川直人の諸氏に師事。
大学在学中に、手捻り、轆轤、鋳込などの技法で、陶のオブジェやワイヤーなどを用いたインスタレーションなども手掛ける。大学院を修了する頃より、磁土の轆轤成形を始める。以後、陶器よりも繊細で透明感のある磁器に専念する。
作品は、端正な器の形態と清涼感のある釉薬を基本にしながら、素材・技法・プロセスと自らの感性との対話によって生まれると考えており、制作過程における新たな発見に目を向け、常に冒険を試み、制作時に高めたエモーションをダイレクトに形にするため、アドリブ的な処理を積極的に心掛ける。例えば、朝日現代クラフト展グランプリ受賞作「うすらひ(薄氷)」では、20点の薄い小さな白い磁器で構成しているが、一つひとつがさまざまな形で仕上がっているのはそのためである。
平成12年に京都高島屋、平成14年に大阪・うめだ阪急百貨店、はせがわ銀座本店、平成15年に世界のタイル博物館で個展を開催。
グループ展は、「ふたのあるかたち」(平成13年:京都・ギャラリーにしかわ)、「CONTACT日韓若手陶芸作家交流展」(平成14年:滋賀県立近代美術館、信楽伝統商業会館)、「器を見る」(平成14年:東京色彩美術館)などの多数に出品。
平成16年2月からイギリスを拠点に研修。
2001 | 第19回朝日現代クラフト展 グランプリ |
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2002 | 京都府美術工芸新鋭選抜展 最優秀賞 |
福本 双紅 透明なものへ
入澤 ユカ
白磁の椀や盃を、白く広い台いっぱい、まるで雪景のような俯瞰で見せた、2003年「INAXガレリアセラミカ」での展示や、「世界タイル博物館」で、壁に設けられた細長く突き出す飛び込み台の先端の壷型の孤影は、いままさに空中に舞い降りようとする緊張と高揚感をつくりだしていた。福本双紅の作品は、そこを核にしてあたりの空間や存在を、痛覚が走るように透明に染めていく。今展では、白磁の円弧のかたちを宙吊りにするという。月の満ち欠けを想像させる。白や透明さ、円弧の無限の変容の、うつろいゆくまぎわをとどめようとする福本双紅は、10月の白い画廊空間に玲瓏な月、たなびく雲、うつろう透明な光をつくりだす。
(INAXギャラリー2 アートニュースより)
開催日時 | 平成19年10月1日(月)~10月29日(月) |
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開館時間 | 10:00 ~ 18:00 |
休館日 | 日・祝休廊 |
場所 | INAXギャラリー2 |
住所 | 東京都中央区京橋 3-6-18 INAX:GINZA 2F |
電話 | 03-5250-6530 |
入館料 | 無料 |
ホームページ | http://www.inax.co.jp/culture/ |
主催 | INAXギャラリー |
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助成 | 財団法人 五島記念文化財団 |