平成14年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
京都造形芸術大学芸術学部デザイン科情報デザインコース卒業。
大学で学んだ版画、立体、映像、イラスト、写真など幅広い分野の知識を武器に、自らの全てを出し切れるアニメーションを使った映像インスタレーションを卒業制作に選び、卒業制作展(京都市美術館)で学長賞を受賞。
田名網敬一氏に師事。
作家名の束 芋は、三人姉妹の真ん中で友人たちから「田端さんちの妹=タバイモ」と呼ばれていたことから、作家として人にアピールする名前として命名した。
作品は、まず作画用紙に線画を描き筆で墨入れをし、コンピュータにそのドローイングをスキャニングする。ドローイングは各500枚~2,000枚ほどになり、その全てをスキャニングし、着色する。着色は北斎の版画から色を選び取りはめ込んでいく。編集や音づくりもこなしアニメーションを仕上げる。
ひとつの映像作品につきアニメーションを複数制作し、観客を取り込む空間に投影し、全ての映像を同じ時間軸で観せるもので、空間は視覚的に不安定な感覚を呼び起こすように作っている。ときにユーモラスで暖かみのある画面の中に、現代日本の日常に潜む不気味な表情をえぐりだしている。
平成13年には企画展(オランダ・Kroller-muller museum)、「スペイン・Valencia ビエンナーレ」「横浜トリエンナーレ」に出品。イギリスのChapterで個展を開催するなど国内外で活躍、若くして注目を集める。
平成15年3月からロンドンで研修。
1999 | キリン コンテンポラリー・アワード 最優秀作品賞 |
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1999 | BBCCネットアート&映像フェスタ映像部門 最優秀作品賞 |
2001 | 平成12年度咲くやこの花賞 |
アニメーションを用いた映像インスタレーション作品で注目を集め、国内外で目覚しい活躍を続ける束芋。作家がモチーフとしてきたのは、畳張りの民家、銭湯、通勤電車といったどこか郷愁をさそう日常風景です。その中に、少年犯罪、自殺、閉塞感といった今日の日本社会の暗部が淡々と展開してゆく独自の表現スタイルで、日常と非日常の狭間の危うさをクールに描き出しています。
「ヨロヨロン」とは、「世論」と「ヨロヨロ」をかけて束芋の造語です。現代の危うい均衡の中で、自分自身もまた、迷い、傷つき」、痛みを覚えながら生きる一人の人間に過ぎない。だからこそ、自ら作り出し世に送り出した作品と、それを受け止めてくれる人の間に、それぞれの新たなストーリー(関係)が生まれることを期待してやまないのだ、という作家の真摯な想いがこの言葉には表現されているようです。
本展では、原美術館の空間に合わせ新たに制作された3つの大型映像インスタレーション作品を中心に、束芋の多彩な創作活動の数々を展観いたします。
開催日時 | 平成18年6月3日(土)~ 8月27日(日) |
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開館時間 | 11:00 ~ 17:00 (水曜のみ20:00まで/入館は閉館時刻の30分前まで) |
休館日 | 毎週月曜日 (7月17日は開館)、7月18日 |
場所 | 原美術館 |
住所 | 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25 |
電話 | 03-3445-0651 |
入館料 | 一般 1,000円、大高生 700円、小中生 500円 原美術館メンバーは無料 学期中の土曜日は小中高生の入館無料 20名以上の団体は1人100円引 会期中、JR品川駅みどりの窓口にてチケットを発売(各100円引き) |
ホームページ | http://www.haramuseum.or.jp/ http://mobile.haramuseum.or.jp/ (モバイルサイト) |
主催 | 原美術館 |
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助成 | 財団法人 五島記念文化財団 |
協力 | ギャラリー小柳 Ufer! Art Documentary 凸版印刷株式会社 |