令和2年度新人賞
※プロフィールは受賞時の情報を掲載しております
2012年 多摩美術大学大学院 美術研究科絵画専攻版画領域 修了
2022年2月よりジョージア・トビリシを拠点に研修開始。
さまざまな文化圏の国と国境を接し、その長い歴史の中で度重なる暴力や分断を経験してきたジョージアで、人々がどのように過去と向き合い、生き抜いてきたのかを学ぶ。
今日の世界の状況と照らし合わせ、人間の持つ可能性を新たな視点から捉えることを目指す。
2011 | 第一回宮本三郎記念デッサン大賞展 審査員賞 |
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2015 | トーキョーワンダーウォール2015 トーキョーワンダーウォール賞 |
2016 | 第11回大黒屋現代アート公募展 入選 |
2019 | FACE2019損保ジャパン日本興亜美術賞 グランプリ |
2022年2月24日、ロシアによるウクライナへの武力侵攻が突如開始され、当初は短期的な戦争に終わるとみられていたものの、3年半もの月日が経っても終結の兆しはありません。本音はどうあれ、これまで建前では守られてきたはずの倫理観や常識がもはや機能しなくなったことは、イスラエルによるガザへの大規模攻撃へ繋がったとも考えられます。それは、人間の歴史が新たなフェーズに入ったことの証なのだと感じています。
ウクライナ侵攻開始直後、私は隣国のジョージアで研修を開始しました。ジョージアはかつてのソビエト加盟国ですが、ソビエト崩壊後、数度にわたってロシアから凄惨な侵攻を受けています。言葉のわからない私にも、街中の人々がウクライナ情勢をまるで我が事のように嘆き、怒り、心を寄せる姿を目の当たりにしました。その状況の中、私がなぜ、このタイミングにジョージアにいるのか、その意味は?そう問うことから研修が始まりました。
1年という、一つの国を知るには長くはない時間、できる限り多くの土地を周り、そこで暮らす人々から彼らの人生について話を聞く。いつの間にかそれがこの滞在の一番の目的になっていました。あらゆる立場や世代、階級の人々の話を聞いていくうちに、彼らの人生が私の一部となり、それが今作品を作り続ける動機にもなっています。また、滞在中にはweb版美術手帖にてジョージアでの生活を綴った「トビリシより愛を込めて」という連載を書いていました。絵筆で描く替わりに文字で世界を描き出す試みだったと思います。
本展はその連載を軸に、旅したジョージア各地の宿泊先の窓に描きつけてきたドローイングの写真作品、帰国後新たに始めたカンヴァスの油彩画、現地で作成した映像作品で展覧会を構成いたします。
庄司 朝美
タイトル | 庄司朝美 個展 トビリシより愛を込めて |
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会期 | 2025年10月11日(土)〜11月3日(月・祝) |
休館日 | 10月27日(月) |
時間 | 11:00〜18:00 |
会場 | 横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1 横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内 |
入場料 | 一般500円/20歳未満および学生・65歳以上無料 |
主催 | 公益財団法人東急財団 横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) |
助成 | 芸術文化振興基金 |