ローマ在住の指揮者、吉田裕史さんが来年1月、オペラ公演で定評のある、イタリア北部のマントバ歌劇場の音楽監督に就任することが決まった。契約は2010年から2年契約で3年の延長が可能な内容。日本人がイタリア歌劇場のトップに立つのは史上初めて。
吉田さんは05年、バルトーク国際オペラ指揮者コンクールで3位に入賞。07年にはローマのカラカラ野外劇場で「道化師」を、エジプト国立カイロ歌劇場でベルディ作曲「アイーダ」を指揮、マントバ歌劇場の支配人から直接スカウトされた。吉田さんは「地道な活動を評価していただいたのだと思う。うれしい」と話していた。
北海道生まれ、千葉県船橋市育ち。東京音大指揮科を卒業し、ウィーンやシエナなどで学んだ。
02年の五島記念文化賞オペラ新人賞受賞を機に、ローマに拠点を移した。
毎日新聞 2009年9月14日(月) 夕刊