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一般研究成果リスト

一般研究詳細

研究課題

玉川上水・分水網の構成と関連遺構に関する調査

一般研究 No.226
代表研究者 辻野 五郎丸
所属(当時) 玉川上水域研究会 代表
研究内容要約

市街地図(2千5百分の1)をベースとして,既往の玉川上水・分水網を示す文献などから玉川上水・分水網の基本構成をデジタル情報として整理した。さらにこの基本構成図と関連文献等を照合し,開削時から幕末までの玉川上水と分水網の形成過程,分水毎の水利特性などについて整理し,玉川上水と分水網の基本的な性格について明らかにした。 また,現在までの玉川上水・分水網に関連する国・都県・市区の文化財の指定状況,特徴的な公園緑地の分布,市民団体の自然・歴史的資産等の記録もあわせ,玉川上水・分水網の各地域における特徴を整理した。

これらの情報は,シンポジウム,市民団体・自治体尾との玉川上水・分水網の保全・再生と維持管理を考える意見交換の基本的な情報として提供した。

本調査は,「玉川上水・分水網を世界遺産・未来遺産へ準部会(代表田畑貞寿・千葉大学名誉教授)」(以下「準備会」)の活動と連携して実施した。「準備会」では平成27年5月29日に第1回シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは,玉川上水は,武蔵野台地のほぼ全域と東京の中心部に至る広大な水循環のネットワークを形成していたこと.現在は,そのシステムは改廃の危機に瀕していること。しかし,持続可能な将来の東京の都市像を模索するとき,その保全再生は喫緊の課題であり,2020年オリンピック・パラリンピック東京大会のレガシー(遺産)として捉えるべきことなどを提起し,多くの方の賛同を得た。このシンポジウムを契機に玉川上水の保全再生を目指している「水循環都市東京シンポジウム実行委員会(代表山田正 中大教授)」,玉川上水ネット(代表柴俊男)「東京の水文化を守るフォーラム(南世田谷ロータリークラブ)」へ呼びかけ,国の関連機関,東京都等に「武蔵野台地に刻まれた水と緑の回廊の保全再生に関する要望書」を提出した。

この結果,武蔵野台地、東京中心部に広がる玉川上水・分水網については文化庁の「日本遺産」の認定から世界遺産への展開を図ること。さらに,社会実験として東京オリンピックまでに玉川上水へ河川水の導水をめざし,災害時の緊急水利、環境用水としての活用等の効果を検証する2つの方向が確認された。現在,平成28年度秋に関連自治体にも呼びかけ,この2つをテーマとしたシンポジウム(拡大玉川上水サミット)と展示を実施し,玉川上水・分水網の保全再生を促進したいと考えている。


共同研究者

谷下雅義(Tanishita Masayoshi)

大野暁彦(Ono Akihiko)

布施孝志(Fuse Takashi)


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