環境

一般研究成果リスト

一般研究詳細

研究課題

淡彩スケッチで表現する多摩川流域の地質地形遺産の特徴とその発表方法

一般研究 No.222
代表研究者 野尻 明美
所属(当時) スケッチ地盤工学者
研究内容要約

フィリピン海プレートと太平洋プレートが重なり合い潜り込んでいる多摩地方には多くの奇岩・渓谷・洞窟・断層などがせめぎ合っている。また、そこから流れ出している多摩川流域には富士山の降灰での関東ローム層が堆積しており特殊な地層環境を作り出している。


それらの地形地層の成り立ちとその特徴を知る地盤工学者の目で地震学者が直下型地震を起こす主張としている「立川活断層」の全域をスケッチしながら踏査した。


彼等が衒学的に主張している直下型地震のモデルは深さ約10km、長さ約10kmのクラックが鉛直に地下深くに1枚だけ入っておりそこがビリッともう一度割れることで震度7マグニチュード7.4の大地震が来るとのこと。


既に割れたところがもう一度割れるのも不自然だが、砂山列島と言われている日本の岩盤には無数に亀裂が入っているはずである。その中に本当に立川断層の痕跡があるのだろうかとスケッチブックを持って踏査を始めた。


地震学者主導の国家プロジェクト研究のデータと比較分析した結果、立川断層の存在を確認することができず、彼らが立川断層であると主張する崖線は低地帯のみであり、しかも、地表のごく浅い範囲の乱れであることから、地盤工学的には古多摩川の河岸段丘ではないかとの結論に至った。すなわち、立川断層は地震を起こす活断層ではないと判断した。


さらに同じ手法を使って多摩川流域の(伸延)五日市断層、五日市―川上構造線の断層についても研究を深めている。


その結果を小冊子に取りまとめ、関連首長へ配布し、個展やらシンポジュームあるいは講演会等を利用して一般住民への啓もうを進めている。


これは40年間で1兆円を超えると言われている立川断層に関する研究費や不必要な減災対策費の無駄使いの削減はもとより、今後想定される(伸延)五日市断層、五日市―川上構造線など活動の可能性のある断層との共存共栄への認識を高めることに繋がると考えている。


共同研究者
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