環境

一般研究成果リスト

一般研究詳細

研究課題

多摩川河口域における市民環境調査とその継続方策に関する研究

一般研究 No.225
代表研究者 五明 美智男
所属(当時) 海辺つくり研究会 理事
研究内容要約

本研究以前に実施してきた、または過去に実施した市民環境調査の継続として、SCOP100調査(2014、2015年の5月)、マハゼ船釣り調査(2014年9月、12月)、トビハゼ生息数調査(2014年、2015年の10月)を実施した。また、発展調査として、観察、インタビューによる江戸川放水路および多摩川河口の河川利用状況比較調査(2014年5月~12月、計12回)、インタビュー調査,釣り宿の間接情報分析を実施した。

2014年のSCOP100調査では、例年同様の出現種が確認されたもののシジミ個体数の経年的な減少傾向が続いていること、ならびに対象地点の干潟面積の減少、ヨシの拡大、地盤高さの増加などが確認された。特に、後者の現象は、過去の市民調査結果との比較から、対象定点のトビハゼ個体数の減少の要因となっていることが推察された。2015年のSCOP調査は、継続検討などによる主催者団体の変更などを受け、川崎大師橋上流に場所を移しての第1回調査となった。

護岸整備されている多摩川河口左岸は、江戸川放水路などとくらべ釣果が少ないもののハゼの陸釣り場として利用が続いている一方、ごみなどのマナー問題改善の要望が多い場であった。船釣り調査の釣果では、9月に比べ12月に少なかったことなどから、産卵期1回の個体群による釣りシーズンの終期であることがうかがえた。 また、既往知見と過去の稚仔魚調査の考察から、多摩川河口内の産卵群の存在の可能性が指摘された。

財団による過去の助成研究、羽田協働調査への参画により、多摩川河口に主体的にかかわってきた。どの調査結果においても、場の変容や独自の環境特性、生物分布、課題が確認されており、それらを継続的に見ていくことの重要性が改めて認識された。特に、SCOP100調査は、地元のNPOを主体とした活動として継続されることとなり、2016年5月には継続後第2回目が実施された。

大師河原干潟館というキーステーションとキーマンの存在により、過去の当事者は協力者となり、過去の資機材、調査ネットワークが継承され、新たな形がスタートすることとなった。一方、マハゼの遊船業が存在しない多摩川河口では、根強い愛好家ともいえる地域の釣り人の見守る目が重要であり、これらの情報の共有が期待される。


共同研究者

鈴木覚・木村尚 海辺つくり研究会

千葉工業大学社会圏環境研究室


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