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学術研究成果リスト

学術研究詳細

研究課題

病原性菌を含むスーパー多剤耐性菌の多摩川における存在調査

学術研究 No.304
代表研究者 浦野 直人
所属(当時) 東京海洋大学海洋科学部海洋環境学科 教授
研究内容要約

近年、多剤耐性を獲得した病原菌が世界中で広がり、日本においてもヒトへの健康被害が報告されている。とりわけ、ほとんどの抗生物質が効力を示さないニューデリーメタロβ-ラクタマーゼ(NDM-1)生産菌の出現は国際的な懸念を引き起こしている。そこで、多摩川流域の安全性を確保するために、上流・中流・下流域におけるNDM-1生産菌を中心とする多剤耐性菌の生息調査を行った。


多摩川各流域の表層水で、バシトラシン、アンピシリン、スルファメトキサゾール耐性菌の耐性菌が多く検出された。上流では5-8剤の多剤耐性菌が多く、中流と下流では3剤の耐性菌、下流では2剤耐性菌が多く出現した。8剤耐性の細菌はBacteroidetes門、2-3剤耐性の細菌はFirmicutes門が大半を占めた。


合計42株のメタロβ-ラクタマーゼ(MBL)生産菌が単離された。42株には、日和見菌などの病原菌が存在し、IPM-1型遺伝子を持つMBL生産菌であることがわかった。従って、ヒトに感染して抵抗力が弱まって発病した際に、抗生物質が効かない可能性も推定される。今回の調査ではNDM-1生産菌の存在は確認されなかったが、継続調査が必要と考える。

共同研究者

石田 真巳 東京海洋大学海洋科学部海洋環境学科 准教授


相川 和也


戸口 智貴


木原 郁美

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