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学術研究詳細

研究課題

森林の分断化に伴う生物種の絶滅リスク評価および優先保護区域の抽出:多摩丘陵における複数の種群・スケールの生物多様性を対象とした複合研究

学術研究 No.312
代表研究者 小池 伸介
所属(当時) 東京農工大学農学部森林生物保全学研究室 講師
研究内容要約 現在、都市化に伴う森林の分断化は世界各地で生物多様性の喪失を引き起こしている。本研究では、日本において最も森林の分断化の進行が顕著な景観である東京都多摩地域において、様々な特徴を有した複数の動物種群(蝶類・地表性甲虫類・中型哺乳類)の生物種を対象に、種多様性、種間相互作用多様性、遺伝的多様性といった複数の生物多様性スケールで調査することで、1)分断化に対する絶滅リスクが高い種の予測手法を確立、2)絶滅リスクが高い種が数多く集中している保全優先地域の抽出を試みた。そして最終的には、上記2つの課題で得られた知見を基に、東京都多摩地域において保全上緊急性が高いエリアの図示化と、それらを踏まえた効果的な多摩地域における生物多様性の保全計画を提言した。

本研究では、分断化に対する絶滅リスクが高い種の予測手法を確立し、絶滅リスクが高い種が数多く集中している保全優先地域を抽出することに成功した。現在、多摩地域ではNPOやボランティアなどの協力のもと里山・緑地管理が行われているが、本研究結果はそれら地域の生物多様性の維持・管理政策に大きく貢献できる。特に、本研究により考案された都市化に敏感な生物種の予測手法は、対象分類群や地域にとらわれずに拡張することが可能であるため、今回多摩地域で得られた研究成果は今後都市化が進行する地域の生物多様性喪失を防ぐ上で極めて重要な知見である。また、本研究は保全面だけでなく地域の生物多様性の普及教育活動にも資するものである。事実、申請者らは今回得られた知見を基に都市緑地における生物多様性評価手法を開発した。これらは既に調査地域の市民講座で発表をしており、参加者や主催者からも高い評価を得ることが出来た。
共同研究者 曽我昌史 北海道大学 環境資源学専攻

三瀬友美子 東京農工大学 農学部
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