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学術研究成果リスト

学術研究詳細

研究課題

多摩川流域における親水活動を介した健康関連微生物の水系感染リスクの評価

学術研究 No.299
代表研究者 原本 英司
所属(当時) 山梨大学 大学院医学工学総合研究部 附属国際流域環境研究センター 助教
研究内容要約

本研究では,多摩川の河川水中における水系感染性の病原微生物(ウイルスおよび原虫)の存在実態を解明することを目的とした。陰電荷膜破砕型濃縮法を用いて河川水2Lを濃縮し,リアルタイムPCRによってウイルス,蛍光顕微鏡観察によって原虫を定量した。14ヶ月間の調査期間中に採取した42試料のうち,ヒトアデノウイルスは22試料(陽性率52%),ノロウイルスGIは28試料(67%),ノロウイルスGIIは7試料(17%),アイチウイルスは23試料(55%),クリプトスポリジウムは9試料(21%)およびジアルジアは25試料(60%)から検出された。病原微生物の陽性率と濃度は,上流域(地点1)に比べ,中流域(地点2)と下流域(地点3)において高い値を示し,下水処理水の影響を強く受けていることが示唆された。大腸菌群などの指標微生物についても同様の傾向が見られた。また,遺伝子解析の結果,河川水から検出されたジアルジアの遺伝子型は人獣共通感染型であり,ヒトアデノウイルスの遺伝子型は急性胃腸炎の病因である40型と41型であった。さらに,細菌の1種であるバクテロイデスを検出できたことから,本研究で使用した陰電荷膜破砕型濃縮法が細菌に対しても有効であることが示された。最後に,水系感染リスクの評価につながる知見として,感染力を有する病原微生物の濃度を推定し,地点2における濃度が年間を通して最も高い値で推移することを明らかにした。

共同研究者
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