環境

学術研究成果リスト

学術研究詳細

研究課題

多摩川流域における放射性物質による影響の推移に係る調査研究と水環境・放射線を共に学ぶ教室の展開

学術研究 No.322
代表研究者 吉田 政高
所属(当時) NPO千葉健康づくり研究ネットワーク 理事
研究内容要約

東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、大量の放射性物質が環境中に放出された。このため首都圏においても、事故後に水道で浄水中に放射性物質が検出され、多くの人々が水への危機感を募らせた。しかし、首都圏における飲料水の主要な水源であり、かつ、人々の生活の場である観点からの多摩川およびその流域における放射性物質の影響について解明した研究はほとんど行われていない。

そこで多摩川の流域における放射性物質による河川水、土壌などの汚染状況の継続的な調査を行うこととした。

調査の結果、現在は河川水、湧水や蛇口からの飲料水には放射性セシウム134、セシウム137、およびヨウ素131は不検出(検出限界以下)である。しかし、河川水中の土壌、および付近の河岸の土壌からは放射性セシウムが検出された。放射性セシウムは上流域に比較して下流域で高い傾向を示しているが、一様ではなく、その濃度は河川の周囲の環境によって影響を受けている。なを、今後とも大雨などにより放射性セシウムが泥と吸着した状態で、河川に流入していくことが示唆される。

これらの調査研究を活かすために、研究成果をもとに多摩川流域をはじめ、広く一般の人々に対して、水環境、安全な生命(いのち)の水および放射性物資による影響について共に学ぶ場を設け、大規模災害時の想定外の出来事にも、自ら考え、行動のできるよう活動してきた。

これまでの放射性物質の調査・研究の成果は、今後同様の事故が発生した場合に、多摩川流域の平時における状況把握の参考資料として活用できる。また、今回の調査・研究で判明した内容や既に調査済みの各地での研究結果を活用して、共に学ぶ場を充実させていくことができる。すなわち、多摩川流域の人々をはじめ、広く一般の人々に対して災害時における放射線に係わるテーマや安全・安心な飲料、医療および生活用水などについて学べる場へと発展させていくことが期待される。

今後の展望として、次世代を担う若い学生などに対して災害、医療や生命に必須の水という観点から伝えていくことにより、将来首都圏にも必ず発生する大規模災害に備えていくことが可能になる。さらに、今後貴重な身近な水源に眼を向けていくことも必要になってくる。


共同研究者

石井 正人 千葉大学医学研究院 放射線取扱主任者

喜多 和子 千葉大学医学研究院 講師

伊藤 晴夫 NPO千葉健康づくり研究ネットワーク理事長

佟 暁波  中国承徳医学研究院教授

董 玫   中国河北医科大学 教授


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